第62回

 改正労働安全衛生法(令和7年法律第33号)/第62条の2 対応特集

2026年4月、シニアの労災対策が

「努力義務」に。

 

 

 “知っている”を“できている”へ。職務の可視化から始める、攻めのエイジフレンドリー対応。 

 

2026/9/25

 

 

 ストレスチェックの全事業場拡大と同時に施行された、もう一つの重要改正をご存知ですか。

新設・第62条の2により、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善・作業管理等の措置が、業種・規模を問わずすべての事業者の努力義務となりました。

 

本ページでは、改正の要点と、CHRO・人事・総務がいま取るべきアクション、そしてそれを“競争力”に変える方法を整理します。

 

 

1. 改正のポイント ―― 第62条の2で何が変わったか 

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2025年5月14日に公布された改正労働安全衛生法は、内容に応じて段階的に施行されています。

その中で高年齢者対策に関わる第62条の2は、2026年(令和8年)4月1日から適用。

 

条文は、事業者に対し「高年齢者の労働災害の防止を図るため、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善、作業の管理その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と定めています(第1項)。

さらに第2項に基づき、厚生労働大臣が具体的な指針を示すこととされました。 

これを受けて2026年2月10日に公示されたのが「高年齢者の労働災害防止のための指針」(通称:エイジフレンドリー指針)です。2020年から運用されてきた従来のエイジフレンドリーガイドラインは2026年3月31日で廃止され、今回の指針へと移行しました。最大の違いは、これまで行政指導上の自主的な取り組みであったものが、労働安全衛生法に根拠を持つ「努力義務」として法的に位置づけられた点にあります。

罰則こそ伴いませんが、未対応のまま労災が発生した場合、安全配慮義務違反として民事責任を問われるリスクは確実に高まります。 

 
 

2. なぜ今、対応が急務なのか ―― データが示す現実 

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「努力義務だから、まだ先で良い」――その判断には、見過ごせない数字の裏付けがあります。

 

    • ✓ 労働災害による死傷者のうち、60歳以上が占める割合は約3割にのぼり、増加傾向が続いています。
    •  
  • ✓ 高年齢層は若年層に比べ労災発生率が高く、特に転倒・墜落転落が多発。被災時の休業も長期化しやすい傾向があります。
  •  
  • ✓ 一方、高年齢労働者向けの労災防止対策に取り組む事業場はわずか18.1%(厚労省・令和6年度労働安全衛生調査)。対応の遅れが、そのままリスク差になっています。
  •  
  • ✓ 国は第14次労働災害防止計画で、高年齢労働者の安全衛生対策の実施割合を2027年までに50%以上へ引き上げる目標を掲げており、行政の関心は今後さらに高まります。

 

 

少子高齢化で生産年齢人口が縮小するなか、シニア人材は“補助的な戦力”ではなく事業継続を支える中核です。その活躍を安全に支える仕組みづくりは、もはや福利厚生ではなく経営課題と言えます。

 

 

3. 指針が求める「5つの柱」 

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エイジフレンドリー指針は、従来ガイドラインの構造を引き継ぎ、次の5項目を事業者に求めています。自社の現状と照らし合わせてみてください。

 

柱

企業に求められる主な取り組み

① 安全衛生管理体制の確立

経営トップの方針表明、リスクアセスメントの実施、推進体制の整備

② 職場環境の改善

ハード面(手すり・段差解消・照度・重量物対策)とソフト面(作業の管理・配置・時間の工夫)の両輪

③ 健康・体力の状況把握

健康診断の確実な実施、体力チェック、フレイル等への気づき

④ 状況に応じた対応

個々の心身の状況に応じた作業内容・配置の調整、無理のない業務設計

⑤ 安全衛生教育

高年齢者本人および管理監督者への教育・意識づけ

 

 
注目すべきは②と④の「ソフト面=作業の管理」です。手すりの設置のような物理的対策は着手しやすい一方、「誰に・どの作業を・どう任せるか」という職務の再設計は、属人的になりがちで、最も着手が遅れる領域です。ここにこそ、データとテクノロジーの出番があります。 

 

 

4. 対応する企業としない企業で、何が変わるか 

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対応を先送りすると…

いま取り組むと…

転倒・腰痛などの労災と長期休業の増加

事故・休業の減少による直接コスト・代替要員コストの抑制

労災発生時の安全配慮義務違反・民事責任リスク

法令・指針への適合による訴訟・行政対応リスクの低減

ベテランの早期離職・採用難の深刻化

熟練人材が長く活躍でき、人手不足の緩和と技能継承が進む

“やらされ感”のコストで終わる

健康経営・人的資本開示の実績として社外にアピールできる

 

 

法対応は、見方を変えれば全社の職務と働き方を棚卸しする絶好の機会です。シニアにとって安全な職場は、実は全世代にとって働きやすい職場でもあります。

 

 

5. 私たちの解決策 ―― 職務の可視化から、適正配置・運用改善まで 

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第62条の2への実効的な対応は、「作業の管理」をいかにデータに基づいて行うかにかかっています。私たちのHRテックは、その一連のプロセスを伴走支援します。 

● JOB Scope ―― 職務を“見える化”する 

部署・役割ごとに散在していた業務を構造的に整理し、どの職務にどんな負荷(身体的・時間的)が伴うかを可視化します。「なんとなく任せている作業」を、改善できる対象に変えます。 

● 生成AIワークバリュースコア分析 ―― 負荷と価値を定量評価 

生成AIが各職務の価値と負荷を定量スコア化。身体機能の変化に配慮しつつ、誰に・どの業務を割り当てるのが最適かを、客観的な根拠とともに提示します。属人的だった配置判断を、説明可能なものへ。 

● SmartOps ―― 配置・運用を継続改善 

一度の対応で終わらせず、配置・作業ルールの運用状況をモニタリングし、改善のPDCAを回します。指針が求める「継続的な取り組み」を、現場任せにせず仕組みとして定着させます。 

つまり、可視化(JOB Scope)→ 定量評価(AIワークバリュースコア分析)→ 改善・運用(SmartOps)という流れで、第62条の2が求める「作業環境の改善」と「作業の管理」を、データドリブンに実現します。 

 

 

6. まず、何から始めるか ―― 3ステップ 

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STEP1:

現状把握:自社の高年齢労働者の構成・労災発生状況・職務内容を棚卸しし、指針の5つの柱に対する達成度を診断します。 

 

STEP2:

優先順位づけ:リスクが高く効果の大きい職務から、作業の再設計と環境改善のプランを策定します。 

 

STEP3:
実行と定着:配置・運用に反映し、効果を測定しながら改善を継続。取り組みを人的資本開示・健康経営の実績として整理します。 

 

  施行は“済んでいる”今が、最初の一歩を踏み出すタイミングです。 

 

「自社の達成度を知りたい」「何から着手すべきか相談したい」――まずは無料の現状診断・個別相談から。御社の状況に合わせて、第62条の2対応の具体的なロードマップをご提案します。 

 

 

 

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■ 本稿で引用した主な出典

・厚生労働省「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)」 

・厚生労働省「高年齢者の労働災害防止のための指針(エイジフレンドリー指針)」 

・厚生労働省「高年齢労働者の安全衛生対策について」 

・厚生労働省「改正法の概要」(PDF) 

※統計値は厚生労働省公表資料および令和6年度労働安全衛生調査(実態調査)に基づく。指針・調査の改定により最新値が更新される場合があります。 

 

 
 
 
 

  ※Smart Opsは、デフィデ株式会社の登録商標です。  

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著者: JOB Scope編集部
新しい働き方、DX環境下での人的資本経営を実現し、キャリアマネジメント、組織変革、企業強化から経営変革するグローバル標準人事クラウドサービス【JOB Scope】を運営しています。

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