第2回
生成AIで進化するエンゲージメントサーベイ
世界の最新事例と日本企業が取るべきアクション
2025/05/16
いま、エンゲージメント測定に生成AIが使われ始めている理由
近年、従業員エンゲージメントは企業の競争力そのものと見なされるようになっています。
しかし従来のサーベイは次のような課題を抱えていました。
・設問数が多く、回答率が低下しやすい
・毎回同じ設問で形骸化してしまう
・回答データが定型かつ定量回答に限られ、深層心理まで踏み込めない
・コンサルタントの集計・分析に時間がかかり、結果活用が遅れる
・毎年の年次調査では、変化を捉えるスピードが追いつかない
こうした課題に対し、いま注目されているのが生成AIを活用したエンゲージメントサーベイです。
グローバルで広がる生成AIサーベイ活用事例
世界の先進企業では、すでに生成AIを組み込んだ新しいアプローチを取り入れています。
従業員アンケートの自由記述回答に対し、自然言語処理AIを適用。ポジティブ・ネガティブ感情の分析だけでなく、「なぜそう感じたか」の要因抽出をリアルタイムで実施しています。結果、マネジャー層が部署単位でエンゲージメント低下の兆候を把握でき、迅速なマネジメント介入を可能にしたとのことです。
Salesforce
生成AIを活用して、従業員一人ひとりの属性(チーム構成、勤務地、役割など)に基づき、パーソナライズされたフィードバックレポートを即時に作成。さらに、エンゲージメントスコアに影響する因果関係(例:ワークライフバランスの悪化 → 離職リスク上昇)を推論し、先手の対応策提案まで自動生成しているとあります。
Unilever
グローバル5万人規模の従業員から収集したサーベイデータを、生成AIで解析。表層的な「満足・不満」のギャップだけではなく、価値観のズレ(例:キャリア成長への期待と実態のギャップ)を定量化。結果、マネジメント層へのアラート機能を強化し、現場ごとに具体的な改善行動(1on1面談推進、異動希望制度改善など)を促進したとの事です。
これらの動きに共通しているのは、
単なる「社員満足度調査」を超えた、行動変容に直結するインサイトの獲得です。
生成AIは、自由記述コメントや膨大な設問データを深層解析し、
「エンゲージメント低下の背景要因」や「個別の期待と不満」をリアルタイムに可視化できるため、
施策立案や離職リスク予兆検知も、かつてないスピードと精度で実現可能になっています。
生成AI活用で解決できる課題
生成AIをエンゲージメントサーベイに導入することで、以下の課題が大きく改善されます。
・少ない設問でも高精度な分析が可能
従業員負担を軽減しながら、深い洞察を得られる。
・自然言語のコメントも定量・定性でリアルタイムに可視化
サーベイ回答者の「理由」や「感情」まで数値化できる。
・個別最適なフィードバックと部門別課題の即時抽出
改善アクションを“待つ”のではなく、提案できる。
・エンゲージメントの変動をリアルタイム監視し、リスク予兆を察知
離職や生産性低下を未然に防ぐ働きかけが可能に。
日本企業が取り組むべきポイント
・年1回調査から「常時フィードバック型」へ移行を検討
従業員の声をタイムリーに把握し、即座にアクションにつなげる。
・自由記述・フリーコメント活用を積極的に取り入れる
数値だけでなく、“本音”に耳を傾ける姿勢が求められる。
・AI分析による因果関係モデル(なぜこうなったか)に注目する
単なる満足度ではなく、「改善に直結する要因特定」がカギ。インサイトを求める。
・サーベイ設計段階で「活用」前提の戦略設計を行う
測るだけでは意味がない。必ず改善アクションまでつなげる。
まとめ
生成AIによるエンゲージメント可視化は、もはや将来の話ではありません。
組織変革は待った無の状況です。
世界のトップ企業はすでに導入を進め、その成果を上げ始めています。
日本企業も、従業員の声を「聞き流す」のではなく、深く理解し、行動する組織文化を育てるチャンスです。
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